第10話 『 ALWAYS FALL 』

 何だよFALLって、サーファーならSUMMERじゃねーのか?と、お思いの方もいらっしゃるでしょう。そりゃそーだ、その通りなんだけど今年の季節はやっぱりヘンだ。いつも秋、いつまでたっても秋、雪はおろか全然冬がやってこない。

 別に冬を待ち望んでる訳じゃない。「一年の中で冬が一番好きです。寒いのサイコー!」なんてこと言うサーファーは少なからず嘘つきだろう。ブーツやグローブ、おまけにフードまでかぶっちゃった海女さんスタイルでは、波乗りの気持ち良さも50%offになる。快適な気温、水温の元でやるサーフィンの方が体の動きもいいし、とってもピースだ。

 だけど世の中には「冬サイコー!」な方々も沢山いらっしゃる。身近なトコではスノーボーダー。彼らは雪が降らないとまったく元気が無い。ガンガン寒くても本気で熱い人々だ。その他にも、いわゆる冬物商品を生業にしてる方々っていっぱいいるよね。ストーブ屋さんにタイヤ屋さん、スキー場の人たちもそうだし、そして、この私もそう。みんな冬や雪に経済活動を依存しているので、いつまでたっても秋真っ盛りな今年のこの状況に、ハラハラしてるんだろうな、きっと。

 そんな訳で商売はイマイチぱっとしてないが、ここ何週間、波が良いのがせめてもの救いだ。三年ぶりに大発生したエチゼンクラゲがフワフワと漂う中、綺麗に波が崩れていく。水は少々肌寒いが人も少なくて気分がイイ

 そう考えれば、一人のサーファーとしては ALWAYS FALLも悪くないのかもしれないね!  

2003年12月5日 SS




秋深し、リップに透けるクラゲかな